〜愛機iPhone6plusとともに綴る虚空の日常〜

〜愛機iPhone6plusとともに綴る虚空の日常〜

raison d'être (レゾンデートル) ~2007.10.26~

 約7年前、私は音楽漬けの生活に明け暮れていました。六本木で水商売の手伝いをしながらshow timeで演奏をして、他の時間はすべてバイト・練習・バンド活動・バイト・練習・・・ってな具合で。24歳の夏、唯一音楽で収入を得ることが出来ていたその水商売を退職しました。「今では世の中の色々な事に興味を持ってしまったから」でも、それは多分建前で、なんだか精一杯やりすぎてパンクした。この7年の歳月は良いことがたくさんあったし、非常にしんどい苦労も多々あった。私にもそんな時代があった。それと同時に絶対に戻れないということもよくわかっている。それからほんの一ヵ月後、職場の上司から推薦をいただき、気に入っていたバンドも脱退して遠い外国へビジネス色の濃い仕事をしに行くことになりました。  

 それから私の時間はまるっきり変わり、まず私は楽器を弾くことをやめてしまいました。「はたして自分は何が出来るのか?何が足りなくて未熟なのか」など、自分の raison d'être(存在価値)というものを考えるようになり、いつも頭の中はぐるぐる回りっぱなしの状態でしばらくはそんな日々が続いていました。

  しかし、自分の倍以上は生きている大先輩方との仕事における会話やコミュニケーションのなかで、私はあることに気がついたのです。その方々の発想というものは、当時の私には、拍子抜けするくらい、素直でまっすぐでまさにシンプルな発想だったのです。「なんだ、これでよかったのか」そう気がついた時、今までの自分は、シンプルなつもりが複雑に交錯し、あえて混乱するような行動をしていたのではないかと自分の未熟さを痛感させられました。

 人生に対し、挫折・厳しさ・深さを味わいながら、少しずつほんの少しずつ「人ってなんだ。自分ってなんだ。音楽ってなんだ。社会ってなんだ。自分のやりたいことってなんだ。」と、そして私はシンプルな発想を取り戻すため自分自身の「原点」というものをふり返りました。そんな問いかけの中で、僅かながら糸口がみえはじめてきました。「藤川健、君の本当にやりたい事はそんな事じゃないだろう!」って。

 それからの私は徐々にわだかまりが溶けはじめ、今まで機会があればやりたいと思って温存していたいくつかの挑戦をくり返し、自信もたくわえつつ少しづつ成長してきました。いまやそれは私自身の中でかなり揺るがないものになるまでになりました。

1 件のコメント:

  1. レゾンデートルというのは存在理由とか存在価値という意味のフランス語。この頃のBlogは実のあることを書こうとやっきになっていてこんなタイトルに触れていた。2007年に書いたんだけど若かりし自分の苦悩とか未熟さがありありとにじみ出てる(苦笑)

     思えばこれが今でいう私のアセンションだったのかもしれませんね?(嘘) ちなみにアセンションって言葉、震災以降に急速に認知されはじめたけど意味・定義もさることながらむやみめったらに発してはいけません。なんの努力や苦しみもしないで成長するなんてありえないし、おこがましいと思うので。 

    返信削除